ディズニーリゾート35周年以降「大転換」の可能性
開園35周年を迎える東京ディズニーリゾートの、緻密かつ大胆な方向転換
第2の転換期? 映画の世界へシフトしていくパーク
ここまで東京ディズニーシーの「大人のテーマパーク」から「幅広い世代を対象としたテーマパーク」への転換を中心に、常に変化と進化を続ける東京ディズニーリゾートについて見てきました。
そんな中、近年訪れた「第2の転換期」が冒頭の「映画主体のテーマパーク」への変化です。
当初は大人が楽しめるその「世界観」を大切にしていた東京ディズニーシーに、2012年、ディズニー/ピクサー映画の代表格でもある『トイ・ストーリー』を題材としたアトラクション、「トイ・ストーリー・マニア!」が登場しました。前述のようなキャラクターを次々と登場させる方針を受けての事だったのでしょう。それより少し前には、こちらもディズニー/ピクサー映画の代表格『ファインディング・ニモ』の世界を題材とした「タートル・トーク」がオープン。
さらに2017年には、シーの完全オリジナルアトラクションで根強い人気のあった「ストームライダー」をクローズし、同じく映画『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー』の世界を題材としたアトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」がオープンし、「タートル・トーク」には映画のキャラクターが新しく追加されました。
そして、現在は計画が一部見直しとなっていますが、東京ディズニーシーに、日本でも大ヒットした『アナと雪の女王』をテーマとしたエリアの計画が一時発表されていました。
また、東京ディズニーランドでは、「グランドサーキット・レースウェイ」(2017年1月クローズ)や、「スタージェット」(2017年10月クローズ)等、キャラクター色のない施設がクローズされ、2020年には映画『美女と野獣』をテーマとした新エリアと映画『ベイマックス』を題材にした施設が完成予定となっています。
映画を題材にしたショーやイベントも拡大しています。2017年の夏には大人気映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを題材とした水上ショーがシーで開催、ジャック・スパロウ等が登場しました。
2018年12月には、『スター・ウォーズ』シリーズの最新作のワンシーンがランドのアトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・ コンティニュー」に追加、2018年1月のシーでは、ピクサーのキャラクターを中心としたイベント「ピクサー・プレイタイム」が開催されます。
このように、これまで以上に映画の世界観が東京ディズニーリゾートのアトラクションやショーに色濃く反映されるようになってきています。
これは「日本には映画文化が根付いていない」と言われていた時代から、インターネットや動画配信等の発展によって徐々に映画文化が浸透してきているという、時代の変化とも言えるのでしょう。